キャッチボールの基本

野球を始めたばかりの子がまず最初にやる練習がキャッチボールではないでしょうか?
キャッチボールは、スローイングや捕球を身に付けるとても大切な練習です。

しかし、何も考えず、ただボールを投げて、捕っているだけでは、正しい動きはなかなか身に付きません。
なぜなら、投げる動作は日常の中でほとんど使わないのです。
「大人になったら勝手にボールを投げられるようになった」とはいかないのです。
スローイングは、実際にボールを投げる動作をしながら身に付けるしかありません。

今回は、キャッチボールの基本、その中でも特に投げ方についてまとめてみました。
横浜ブレイズで行っている「スローイングドリル」についてもお伝えします。

ちなみに写真のモデルは息子です。
あんまりいいモデルじゃないけど家でゴロゴロしてたので手伝わせました(笑)

キャッチボール投げ方の基本

さて、いきます。

ボールの握り方

少年野球ボールの握り方
ボールは下の写真のように握ります。
人差し指と中指の間に小指が入るくらいの隙間を空けてボールを握ります。
写真では見えていませんが、下は親指を使って握ってます。
ぎゅっと力を入れて握らず、やわらかく握ります。
ボールの真ん中あたりを握るようにしてください。

まだ手が小さくて写真のように握れない場合は、ワシづかみでも構いません。
人差し指、中指、薬指の三本で握る子もいますが、それでも大丈夫です。
手が大きくなってから、人差し指と中指でボールを握れるようにしましょう。

トップのかたちをつくる

キャッチボール投げ方トップ
両手を同時に開いてトップの形をつくります。
身体は相手に向かって正対せず、グラブを持つ手の方の肩が相手を向くようにしてください。

耳と同じくらいまでヒジがあがるようにしてください。
他の言い方でいうと、頭の後ろで手を組んだ時の高さまでヒジをあげます。

グラブを持つ手は前に出します。
力をいれてグッと出さずに、自然にスッと出して下さい。
このとき、手の親指が下、小指が上です。

身体の回転を使って投げる


ヒジの高さはトップの位置のまま、身体を回転させてボールを投げます。

慣れないうちはヒジの高さをキープするのが難しいです。
ヒジの位置が下がり、ボールを押し出すように投げてしまいます。
いわゆる手投げです。
手投げを避けるには「手で投げる」の意識を捨てて、「グラブを引く」とか、「身体を回転させる」ことを意識させた方がいいです。

つま先の向き、くるぶしの向きに気を付ける

キャッチボール足の踏み出し方
キャッチボールをするときは、くるぶしの向き、つま先の向きが相手を向いているか確認しましょう。
トップを作るときは、軸足のくるぶしをしっかり相手に向けてください。
また、踏み出した足のつま先が相手に向いていることも大事です。

どこを狙って投げる

キャッチボール狙う場所
キャッチボールの時に投げる場所ですが、野球を始めた頃は相手の胸と教えます。
相手が、一番捕りやすい場所を狙って投げましょう。

ある程度上手になって、コントロールがついてきたら、相手の利き腕の肩を狙って投げるようにします。
なぜなら、利き腕の肩周辺は、捕ったボールを一番早く持ちかえることができる場所だからです。

小学生で塁間を相手の利き腕の肩に正確に投げられるようになればかなりいい方だとおもいます。

投げる距離

少年野球の場合、キャッチボールで投げさせる距離は塁間が基本です。
一番長い距離を投げさせる場合でも、ダイヤモンドの対角線の距離くらい。

小学生がキャッチボールで遠投をする必要はないと思います。
遠投をすれば、確かに肩の筋肉が鍛えられて、強いボールを投げられるようになるかもしれませんが、ケガなどの弊害の方が大きいと思います。

それに、試合でそんなに長い距離を投げることはないので練習する必要もありません。
外野手からホームへのダイレクト送球が一番長い距離になりますが、ダイヤモンドの対角線の距離+数メートルくらいだと思います。
それ以上は中継プレーになります。

正しい投げ方を身に付けるドリル

投げ方を身に付けるドリルについて説明します。

強く遠くにボールを投げる時に使うふたつの力

手や腕の筋肉は小さいのでそんなに大きな力を出すことができません。
そのため、ボールを遠くに投げられるようになるためには、手以外の力を上手に使うことが大事です。

ボールを投げるときに使う力は、大きく分けて以下の二つです。
二つの力をうまく組み合わせると強く、速く腕を振ることができます。

  • 身体を回転する力
  • ボールは手で押し出すのではなく、身体の回転を使って、腕をムチのようにしならせて投げます。

  • 身体を前に進める力
  • 下半身を使って身体を前に進めます。
    その力を使ってボールを投げます。

    身体の回転を覚えるドリル1

    ひねる力を使って投げる練習をご紹介します。

    構え方

    キャッチボールドリル
    足は肩幅より少し開き、腰をやや落とします。両足のつま先とヒザは、投げる方向に向けます。

    ひねりを感じながらトップをつくる

    キャッチボールドリル
    下半身をそのままにして、上半身を90度ひねり、肩が相手にまっすぐ向かうようにしてください。
    投げる方のヒジは耳くらいの高さまで上げます。
    グローブを持った手は、親指を下、小指を上にしてまっすぐ前に出します。
    これがトップの形です。

    身体がひねられることで少し窮屈な体制ですが、ヒザの向きを変えないようにガマンします。

    ひねりを戻して投げる

    トップを作ったら、グローブを持つ手を引きながら、ひねった身体を元に戻します。
    ボールを投げるよりも、グローブを引くことを意識するといいと思います。
    肩が入れ替わり、回転につられて腕がついてくるようなイメージで投げてみてください。

    身体の回転を覚えるドリル2

    ひねる力を使って投げる練習のふたつめです。

    構え方


    右利きなら左足、左利きなら右足を前に出し、つま先を相手に向けます。
    反対の足のくるぶしも相手に向けて立ち、トップの形を作ります。
    写真よりも、もう少しヒジは高く上げた方がいいかもしれません。

    ひねりを戻して投げる


    グローブを引きながら、身体を回転させて投げます。
    肩が入れ替わり、つられて腕が出てくる感覚をつかんでください。
    同時に後ろの足のかかとがクルっと返ります。
    投げ終わったら前の足にしっかりと体重が乗るようにします。

    身体が前に進む力を使って投げるドリル

    身体が前に進む力を使って投げる練習です。

    グイっと腰を前に出して準備


    右利きなら左足、左利きなら右足を前に出し、つま先を相手に向けます。
    反対の足のくるぶしも相手に向けて立ち、腰を前に出します。

    腰を後ろに引いてトップを作る


    腰をそのまま後ろに引いてトップの形を作ります。

    腰を前に出しながらひねりを戻して投げる


    足の力を使って、腰を前に出し、同時にグローブを引いて身体を回転させます。
    ボールを腕で押し出すのではなく回転した身体に腕がついてくる感じで投げます。
    前足でしっかり体重を受け止めます。

    ダイナミックに投げよう


    身体が止まらずに、そのまま前に出てしまっても大丈夫です。
    大きく身体を使って、身体の回転と前に出る力を利用してダイナミックに投げられるようにします。

    まとめ

    きれいなフォームで投げられるように色々なドリルをやりますが、それでも一朝一夕に身に付くものではありません。
    運動神経のよい子は教えなくても勝手にうまくなりますが、普通の子がきれいなフォームで投げられるようになるのは高学年になってからです。
    無理せず気長に練習しましょう。


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    Yokohama Blaze

    横浜市南区少年野球チームの横浜ブレイズです。できたばかりのチームですが、スタッフはみんな経験豊富で、子供と野球が大好きです。 子供の特性を理解して練習スケジュールを組み、楽しく愛情をもって丁寧に指導します。