「声をだせ!」
少年野球に限ったことではなく、様々なスポーツの指導の現場でよく耳にする言葉です。
でも、言われた選手の中には、
「なんで声をださなきゃならないの?」と思ったり、
「あのオッサン、声をだせしか言わないじゃん。」と思ったりしている子もいるかもしれません。
元プロ野球選手の桑田真澄さんは、キャッチボールの時に声を出す必要はないとも言っています。
多くのコーチが言う通り声をださなくてはいけないのか?
それとも桑田さんが言う通り声はださなくてもいいのか?
今回は、少年野球における声だしについて、ちょっと考えてみましょう。
声だしの三つの効果
そもそも声をだすことによって何が起こるのでしょうか?
何も起こらなければ出さなくてもいいはずです。
実は、声出しの効果として、以下の3点があるのです。
コミュニケーションは、チームスポーツでは特に重要です。
自分の身を守るため、相手に怪我をさせないためにも必要になりますし、声を掛けあうことで、チームとしての一体感を生みます。
野球はサッカーほどチームの連携が必要なスポーツではありませんが、それでも中継プレーの時などコミュニケーションが非常に大切になる場面があります。
大きな声を出すと、一時的にアドレナリンの分泌量が多くなり、体と脳が活性化します。
体の活性化とは、筋力のアップを意味し、脳の活性化とは、集中力、判断力のアップを意味します。
決勝戦などの大事な試合で、味方に大きな声を出して応援する選手がいたらどうでしょうか。
不安な気持ちがなくなって、非常に頼もしく感じるはずです。
相手がどんなに強くても立ち向かっていこうと思うはずです。
声を出すことで、味方を鼓舞することができます。
人を暗示にかけ、リラックスさせるために声だしは大切なのです。
少年野球の声だしの指導
声を出すことによって、効果があるならやっぱり「声をだせ」と指導することになります。
とはいえ、声をだすのは大切だとわかっていても、声を出せる、出せないには個人差があるものです。
そこでわたしたちは、声だしの指導をするときに難易度別に3つに分けて考え、各選手(年代)にあった指導を心がけています。
「ナイスボール」、「ナイスバッティング」など、完了したプレーに対する声。
さほど野球を知らなくても声が出せますし、難しければ、誰かの後にオウム返し的に続いても構いません。
「オーライ」、「走った」、「バックホーム」など、進行中のプレーに対する声。
状況を伝え、コミュニケーションをとるために、非常に大事な声となります。
時には状況判断が必要になってきますので、ある程度の経験や判断能力も必要となります。
「内野近いところ」、「外野は二人目のランナー返すな」など、状況に応じた、想定されるプレーに対する声。
状況の共有、プレーの準備のためにとても重要な声となります。
リーダーが一方的に発するだけではなく、声の内容をみんなが理解し、声を返して、声のキャッチボールができるようになると素晴らしいですね。
普段は声を出さずに練習して、試合になっていきなり大きな声を出せと言われても、なかなか出せるものではありません。
また、挨拶と同様に、声出しも周りに聞こえなければ、意味がないことが多いです。
つまり、声出しも日々の練習が重要なんだと思います。
練習中はどんどん声を出しましょう。
ただ、指導者は、単に「声をだせ」と言うだけでなく、選手のレベルに合わせて声だしの指導をしなくてはならないと思います。
どんな声をだせばいいのか。
なぜ声をだす必要があるのか。
子供たちに理由や目的、内容を示してあげることで、徐々に声が出てくると思います。
野球はプレーが頻繁に中断するスポーツです。
次のプレーをしっかり想定し、頭の中を整理して準備を行うことが大きな意味を持ちます。
頭を使うことで、集中力が増すという効果もあります。
先人たちの言う通り、「野球は頭を使うスポーツ」なんですね。
Yokohama Blaze
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